ななお独断と偏見の
バイオリンの起源と歴史

バイオリンの祖先の発生
バイオリンは、弦を弓でこすって音を出す、擦弦楽器と呼ばれる部類に属します。同じような擦弦楽器には、ビオラ・ダ・ガンバを代表とするヴィオール属、中国や日本などに広まった二胡、モンゴルの馬頭琴、中東のルバブなどがあります。

起源は、アジアであると考えられています。起源の状態を良く残した楽器は、ルバブ(レバブ)であると思います。木の胴をくりぬき、表面に響板をかぶせ、駒を乗せて弦を張り、弓で弾くものです。この木の胴の大きさは様々ではありますが、ルバブの親戚は、北アフリカ、ロシア、中東やアジアに広がり、スペインにまで達しています。

ルバブ
これが、発祥の地から東へ行くと、胴体が小さくなり、中国の二胡のような形になっていきます。タイやウズベキスタンでも同様の形式の楽器が見られます。また、胴体が大きいものでも、モンゴルの馬頭琴のようなものがあります。馬頭琴の弓はチェロの弓でもよさそうな感じでしたね。こちらにきた楽器には、テールピースや指板がなく、弦を指で強く押さえることが必要とされています。馬頭琴や四胡などは、弦が振動する方向、つまり、弦を横から押さえる奏法が取られています。指を丸めて、指の腹ではなく指の背で押さえるんですね。

発祥の地から西へ向かうと、胴体は大きくなってきます。たとえばルバブが進化した形と考えられているレベック(東ヨーロッパ:はじめにフィドルと呼ばれたもの)はへらのような形をして、、日本人であれば琵琶のようなといったほうが適切ですね、、指板やテールピースが着き、響板に穴(たとえば○だったり、Cの字だったり)があけられたりしました。参考にここ(EarlyMusicShop)のHPのレベックを見てみましょう。
 

フィドル
フィドルとは、ラテン語で「子牛のように跳ね回る」の意味だそうです。イギリスやアイルランドではフィデール、古いフランス語ではヴィエール、イタリア語ではヴィオールと発音されるようになります。また、現在では、フィドル、という言葉は、日本人が自動車を「くるま」と大雑把に呼ぶように、擦弦楽器の一部を大まかにさし示すもののようです。ただし、フィドルのほとんどが、現在ではバイオリンに該当してしまいます。

さて、フィドルといえば、広義ではレベックも含む擦弦楽器なのですが、レベックが発展し、ヴィオール属が現われます。1400年代からスペインでリュートという撥弦楽器(ギターの元となった)との組み合わせで発展したもので、ルネサンス期に爆発的に流行したそうです。現在見られる形になったのは1600年代、それまでは様々な形がありました。ギターとバイオリンの中間みたいな形をしています。参考にここ(EarlyMusicShop)のヴィオールをみてみましょう。バイオリンによく似てますね。

と、ここまでは、楽器をひざにのせるかひざにはさんで弾いていたのですが、ヴィオールの時代から、腕に乗せるスタイルが出てきます。これは中東より東のほうでは見られなかった奏法です。

また、フィドルに属する、いわゆる擦弦楽器の中には、弓でこする弦のほかに、共鳴線が張ってあるものがあります。ヴァイオリンに非常によく似た形のものもあれば、レベックに似たものもありますし、その地方で独自の進化を遂げたものがあります。たとえば、サーランギー(インド)や、ガドゥルカ(ブルガリア)、フォークバイオリン(ハンガリー)、ハルディングフェーレ(北欧)など、アジアから北欧に広まっています。たとえばバイオリンに似たハルディングフェーレなどは、バイオリンの指板の下に共鳴弦が張ってあり(もちろん指で押さえられません)、その4種類の弦と同じ音を出したときに楽器がより響くのです。芸大のHPの民族楽器を見てみましょう。

話はヴィオールに戻り。ヴィオールといえば、、、、現代ならば、コントラバスが代表的です(コントラバスはバイオリン族ではないのです。あのなで肩はヴィオール族独特のものなのです)。さらに、ビオラ・ダ・ガンバ(ひざに乗せるビオラ)や、ビオラ・ダ・ブッチョ(腕に乗せるビオラ)としてビオラ・ダ・モーレなどが現われます。バイオリン族とは楽器の製法も構造も大きく異なり、4度調弦で、弦は6本から7本。本体はなで肩で、バイオリンであればf字の穴がありますが、ヴィオール類ではC字が多く、指板にはフレットがついています。ギターみたいだなあと思ったことがあります。
 

ヴァイオリン
さて、多くの説では、ヴィオール属の楽器からバイオリン属が派生したということですが、一説には、バイオリンは1500年代に北イタリアで突然完成された形であらわれたともいわれております。しかし、初期のバイオリン製作者(たとえばガスパロ・デ・サロ)がヴィオール製作者であったことから、ヴィオールの派生ではないと断言することは難しいと思います。

このガスパロ・デ・サロが、1500年代にはじめてバイオリンの形を作ったといわれています。場所はイタリアのブレシア。(といえば、Biciachi schoolなどで有名ですね)。現在のバイオリンより少し大きめの楽器であるように思います。

また、クレモナという地域では、アンドレア・アマティが1500年代にバイオリン作りをはじめました。アマティ一家はバイオリンを歴代作成し、ニコロ・アマティはバイオリンの形を完成させたといわれています。彼の弟子として、有名な、アントニオ・ストラディバリやガルネリ、ルジェリなどが誕生します。この時代からしばらくの間、クレモナはバイオリン製作のメッカとなります。一時衰退しますが、現在ではクレモナ派のバイオリン製作は隆盛をきわめ、世界中からバイオリン製作者を目指す人々が集まっています。
 

バロック・モダンバイオリン
バロック、バイオリンという言葉がありますが、当然バイオリンの初期の頃は皆バロックバイオリンでした。モダンとの違いは、指板が短く水平であることが代表的です。ベートーベンの時代もモダンスタイルではなく、バロックスタイルの楽器が使われていました。モダンに移行したのは、19世紀頃からといわれています。当然有名なストラディバリのバイオリンも、もとはバロックバイオリンだったのです。18世紀の終わり頃から、演奏上のニーズ(大きなオーケストラになっていったり、ホールが大きくなっていったり)から、バイオリンの大改造が行われました。それまでバロックスタイルだったバイオリンが、ネックを新しくし、指板をつけかえ、バスバーをしっかりしたものにするなど、大音響を響かせるに耐える楽器に作り変えられていったのです。現存のストラドでも昔はバロックスタイルだったわけです。
 

バイオリン演奏の技術
まーーバイオリンが進化するには、弾く人の進化もあったのですけれどね。
バロック時代は、高音域は少なく、ビブラートも少ない伴奏楽器として使われることが多かったように思います。そのうち名人たちがいろんなことをやりはじめます。バイオリンの技量を飛躍的に進化させた演奏家・作曲家として上げられるのが、
ヴィターリ
タルティーニ
バッハ
ヘンデル
モーツアルト
パガニーニ
クライスラー
イザイ
などでしょう。パガニーニがいなかったら今スピカートはなかっただろう。。タルティーニがいなかったら重音でトリルなどバイオリンではだれもやらなかっただろう。ヘンデル、モーツアルトはバイオリンの鳴らし方を良く心得た曲を作曲している。バッハの無伴奏は聖書とも言われている。私としては、旧約聖書がバッハの無伴奏だとしたら、新約聖書はイザイの無伴奏だと思うけれどね。。

バイオリンの使われる音楽の分野?
さて、スタイルとしては、現代でもバロック奏法は残されておりますが、たとえばアイリッシュフィドルなど同じバイオリンを使っても独自の使われ方をすることもあります(ブルーグラスなどが有名ですね)。

また、電気の時代になってから(なんじゃそりゃ)は電気バイオリン、つまりエレクトリックバイオリンが登場します。エレクトリックバイオリンの中には、弦がバイオリンのように4本ではなく、より低い線がついた5弦、さらに高いほうに1弦加わった6弦バイオリンなどがあらわれてきます(移弦たいへんじゃないかなあと思ったりする。。。)。また、大音響での練習が出来ない住宅事情は、サイレントバイオリンなるものを生み出しました。これはエレキバイオリンと一緒だと思うのですが。。。。より本物のバイオリンに近いレスポンスと感覚を追求してるのかな???これらの電気式楽器の登場により、バイオリンはクラシックだけではなく、ジャズやロックに広く使われるようになります。
 
 

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