酸素プロバイダ講習受講ルポ
綾部パパの口利で、アサムラマリンさんで酸素プロパイダ講習を受講してきました。
酸素プロパイダ講習は、DANが推奨している、酸素供給法の講習会です。酸素の供給、というと、日本では薬事法の関係から、本来はお医者さん以外は扱うことはできないのですが、ダイビング関係に関しては酸素の減圧症への効用がハッキリしていることから、(やや玉虫色ではありますが)黙認されているようです。
これは酸素供給に限りませんが、レスキューの場合、もし詳しい人が現場に1人いたとしても、その人がすべての役割をこなすことは事実上不可能です。なので、できるだけ多くの人がその知識をおぼろげでも知っていれば、その現場を仕切ることはできなくても、アシスタントはすることができます。それだけ、こういった知識が世の中に広まるということは大切であるわけですね。
今回の講習の内容はビデオを含めた学科と、実習に別れますが、学科の方はそこそこで、中心となるのはやはり実地訓練の方です。ひとつひとつの手順はそう難しくありませんが、事故ダイバーが一人から二人に増えたりして、手順がだんだんとややこしくなってきます。
今回は供給用マスクとして、3種類を使いました。
まず、ポケットマスク。
これは基本的には人口呼吸用として使います。見えにくいですが、下側の小さな接続口に酸素チューブを取付け、酸素を補助気体として使用することもできます。顔に押し当てる部分は風船状になっていて、顔にフィットします。近年では、直接マウス・ツー・マウスの人口呼吸は感染症の原因としてあまり奨められなくなってきています。そのため、スクーバダイバーこのようなポケットマスクをメッシュバックの中に一つ入れていこう、という声も高まってきています。
次にデマンドバルブ付マスク。
(写真が無いんでイラストです)
これは形こそ違いますが、通常のスクーバ用レギュレータの2NDステージ(くわえるところ)と同じ原理です。レバーがついており、これを押すと強制的に酸素が出てきます。(普通は吸わない限りは出てきません)高濃度の酸素を事故ダイバーに供給するには、これが一番のようです。顔に押し当てる部分は、前述のポケットマスクを取付けることもできます。
最後に、ノンリブリーザーマスク。
上に書いたように、デマンドバルブ付マスクの場合、自発的に吸ってやらないと、酸素が出てきません(定流量切替えで、出しっぱなしにすることはできます)。しかし、呼吸はしているものの、意識がもうろうとしている場合などは、この自発的呼吸、というのは結構難しい様に思います。そこで補助として、マスクの下に気体をためられる袋を付け、かつ逆止弁を付けたノンリブリーザーマスクというものを使う場合もあります。この場合は、補助の袋がついているので呼吸抵抗が少なく、また逆止弁のおかげで、呼気は外へ逃げますが、吸気(空気)は入ってこないので、酸素濃度は保つことができます。
これらのマスクを状況に応じて使い分け、事故ダイバーに酸素を与えます。
さて、この酸素キットをフリーダイビング競技や練習において活用するとすれば、どういったことに気を付けるべきでしょうか。
スタティックの場合は、現在の競技会でも、競技ゾーン側にキットを置き、万一の場合はプールサイドに待機したものが走って持っていきます。酸素は高濃度であることに超したことはないでしょうが、BOやLMCの場合、よほど長い時間放置しない限りは、死に至るような重大なことにはならないと予想されるので、濃度にあまりこだわる必要はないように思います。それより迅速さが重要かと思います。
コンスタントの場合は、トラブル発生後に船上引上げ、次に対処、と少しタイムラグが生じることから、より酸素濃度が高い状態で供給できればベストでしょう。これも船上待機のものが準備をするわけですが、組立など、器材に精通している人を配置するのが望ましいかと思います。
いずれにしても、現場にいる人間が器材の取り扱いに精通し、できるだけスピーディに酸素を与えられることが重要ですね。
(text by h.sugawa, special thanks to akira"PAPA"ayabe)
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