高齢期の快適な住まい
...........これは私の描く理想の住まいの形です。 .........
理想的な子育て期対応住宅は、高齢期にも対応した住宅と言えます。
家族のふれあいが出来る住まいは、高齢者を孤独に追いやらない住まいです。
そしていくら高齢になっても、
いつも家族の一員であるという喜びと
責任感を持ち続けたいもの・・・・・。
これは人間の尊厳を守ることではないでしょうか。私は、人間の生涯での究極の状態とは、食べること、排泄すること、感謝すること、
そして最後まで可能な限り自立し続けることではないかと感じています。
自立しようと努力する生き方は、既に自立した生き方であり、
自立しようとする生き方にこそ、無限の可能性を秘めた自由があり、
幸福があると思うのです。そして住まいとは、
この人間としての尊厳を支えてくれるものであって欲しいと願っています。では住まいとは、高齢期の為に、
一体具体的にはどのような工夫をしておけばよいのでしょうか?場所は、一階の和室です。
ここは陽当たりが良く、庭に面して眺めも良く、
又、引き戸を開放することで、居間とのコミュニケーションをとれる場所です。
7帖大の和室を夫婦二人で使うには少し狭いかも知れませんが、
ここに籠もってしまうわけではありませんので・・・・・。
和の空間ですが、高齢期には(必要を感じた時期に)二つのベッドを置き、
洋式に使う方が便利です。
ベッドは出来れば電動のものが、理想的です。
このベッドは、寝るだけではなく、ソファとしてくつろぐ時にも使えます。
その為にもすぐ背もたれが起こせるよう、電動ベッドが便利です。
これは病気で寝込んだ時にも、少しずつ姿勢を変えられ、
一人で起きあがる為の補助をしてくれます。
次にトイレについてです。
誰でもみんな、人からトイレの世話は受けたくないもの。
排泄だけは誰に遠慮なく自力でしたいものだと思います。
それならばその工夫をしておけばいいのです。
長期に寝込むことがあったとしても、
和室に隣接して造られたトイレならば、引き戸を開ければ、
ベッドから起きあがり2〜3歩踏み出すだけでトイレに辿り着くことが出来ます。
”この位なら自力で出来る!”っと意欲と自信が沸いて来る工夫をするのです。
(壁になっている場合は、引き戸に改造しておきましょう。)
換気扇はもちろんのこと、洗浄暖房便座、出来れば床暖房も欲しい所です。
又、トイレ内には、お湯の出る小型洗面台を設置します。
手を洗い、歯磨きをし、顔を洗うことが出来ると、
これだけでもどんなに気持ちよく、さっぱりすることでしょう。
ユーティリティーが二階にある場合は、
和室の押入か板の間部分をトイレに改造することができます。
そしてトイレを椅子代わりにして、後述の”座・シャワー”をつけてしまうのです。
(この場合は洗浄暖房便座は付けられません。感電してしまいます。
その代わり床暖房などを入れて全体を暖められるよう工夫が必要です。)
もちろん小型洗面台も付けましょう。
この小さな空間を洋式の感覚で使いこなせば、本当に便利だと思います。
元々欧米の家って合理的で、
各部屋毎にこのようにトイレと浴室、又はシャワールームが付いているのです。
又、既存の浴室には、この”座・シャワー”(松下電工)という、
二本のアームからシャワーを浴びるシステム
(現在まだ上記の一社の製品しか見あたらない。)を設置して置けば、
浴槽に浸からなくても、身体に負担をかけることなく、
腰掛けた状態で、浴槽に浸ったのと同じ位に温かくシャワーが浴びれます。
これを取り付けるには、壁に下地がいるので、工務店と相談してみる必要がありますが、
その価値は充分あると思います。
健康で、元気な時にも楽ですし、
仮に体力が弱った時や、足腰を痛めた時などにも、
多大な介助によって浴槽の中に入れてもらうよりは、お互いどれほど楽か知れません。
(軽微な介助で済むと思います。)
このような設備の情報も、知らなければそれまでですが、
せっかく便利なものがあるのですから、それらを取り入れ、
出来る限り自立した生活を送りたいものです。
それから食事については、たとえ臥せている状態であっても、
家族が仕事に、学校に、買い物に、又趣味の為に外出することが出来るように、
いざという時には、食事も外部から配達してもらう工夫をしておけばいいと思うのです。
これはベッドから手を伸ばせば届く所に、小さな小窓(又は出窓)を付けておくことで、
そこから食事の配達や、又郵便物や小荷物の配達を受け取ることが可能になります。
小窓のみが外部との接点なので、家族の留守中でも防犯上安心できます。
このような工夫によって、極く普通の生活をしながら、
それぞれが出来る限り自力でやり抜くことで、
いつまでも若々しく過ごせ、又ボケを防止し、
ひいては家族関係をも円満に保つことができるのではないでしょうか。
年老いてからこれらすべての工夫を考え改造するのは、大変ですが、
夫の停年退職の頃を目途に、少なくとも計画を立てておいては如何でしょう。
心づもりをしておけば、必要を感じた時に、情況に合わせてきめ細かく、
ベストに対応できます。
このように、高齢期を考慮した住まいは、
当然親との同居においても快適なものとなります。
又、諸事情でこの自宅を売り渡すことになったとしても、
良い住まいは誰にとっても良い住まいだと思っています。介護保険の導入など、高齢社会に対応するべく、行政もどんどん進んで来ていますが、
近い将来、高齢者が四人に一人という数に達した時、
いくら介護保険があるからといって、始めから介護して貰おうという気でいたら、
他のことも出来うる若い人達のエネルギーと時間とその可能性をも、
ずいぶんと奪ってしまうことになります。
それにみんながきそって介護を望めば、介護保険がパンクする事が目に見えています。
そんなことは出来ることならしたくありません。
この意味に置いても、自立した生活を送る為の高齢期の住まいの改修費用の助成金制度を、
もっと充実させて欲しいと願っています。
永い目でみれば、自立の支援をする方が費用もずいぶん安く済むはずです。改修資金について、少し触れておきます。
この高齢者のための助成金制度は、2000年4月から介護保険の中に組み込まれました。
要介護の認定を受けてから、必要と判断された場合に20万円を限度として、
助成金が出るようです。
地方自治体によっては、プラスアルファが付くようです。
ないよりはマシというぐらいの金額ですね。
あと住宅金融公庫があります。
バリアフリーの条件を満たしているリフォームローンでは、
2000年4月時点では、工事金額の80%、1000万円を限度として、
金利2.85%で借り入れできます。
最終返却時の年令限度は80才で、借り入れ期間最長20年迄で組めるようです。
60才以上でも、年金などの一ヶ月の収入が、月返済額の5倍以上あれば
借り入れが可能ということです。
例
100万円借入、15年間返済なら、1ヶ月の返済額は6833円。 (1ヶ月の収入34165円以上必要)
300万円借入、 同上 同上 6833X3= 20499円。 (同上 102495円以上必要)
100万円借入、10年間返済なら、1ヶ月の返済額は9586円。 (1ヶ月の収入47930円以上必要)
300万円借入、 同上 同上 9586X3= 28758円。 (同上 143790円以上必要)
詳しくはリンクコーナーに載せているアドレスから、住宅金融公庫のホームページをご覧ください。もう一つ、大きな工夫のいることに、外部とのコミュニケーションがあります。
上記の小窓の工夫も外部との接点の一つですが、
外に出かけられる工夫がどうしても必要です。
健康な時には階段の上り下りは運動になると言えますが、
問題は足腰を痛めた時や、身体が弱った時の事です。
この時に段差の問題が発生します。
スロープで解決出来る所はスロープに改善し、
敷地そのものが道路より高くなっている場合、
1.5メートル位の高さなら外部用のリフトを取り付ける事が可能です。
最近ホームエレベーターが大分安くなって来ましたので、
新築時にこれを付けるか、又は将来の為に、場所を確保して置くのも方法の一つです。
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いろいろ書きましたが、
このように出来うる工夫をすることで、
仮に老夫婦二人だけの生活になっても、
お互いに束縛することなく、自然な形で助け合い、
穏やかな生活が送れるのではないかと思っています。
又夫婦のどちらかが亡くなり一人住まいを余儀なくされる場合にも、
公的支援を受けながら、
けっこう自立した快適な生活の可能性があるのではないでしょうか。そして、いつか家族や医療関係者や福祉の方々の
お世話になる時が、来るかも知れません。
いいえ、来ることでしょう。
その時は、やって貰って当たり前ではなく、
”ありがとう”と言いたいと思っています。これで万全とは言えませんが、これらは、実は私自身が自分達のこれからの生活の為にやっておきたいことなのです。現在の自宅を最大限に生かしながら、出来うる工夫を考えて、自らの手で、楽しみながらリフォームしていきたいと考えています。もちろん専門家に委ねるべきところは委ねますが。
自分の手ですることの最大のメリットは、楽しみがあること、費用が格安になることです。住む人と共に、住まいは育っていくのでしょう。
いいえ、住む人が住まいを育てる、と言い換えましょう。以上
付録
生活を快適にする工夫いろいろは次のページです。
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