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第四話

NEXTの四話・・・ハルシフォム初登場のお話でした。この回を作画している時、この話数作監の戸部さんが 忙しくて、私(宮田)と加藤さん(加藤洋人作画監督)が作監のお手伝をしてました。
さあ、結局三人の作画監督が立っていたんですね。(注1)さあ、誰がどの場所をやっていたか分かるでしょうか?

ディミァの石化状態(注2)を設定したのは私なんですが、あれで息ができるんか?
あれだけで死んでしまうんではないか?石化したのは身体の表面だけで脳や内臓はそのままなのか・・・ なんて設定を描きながら思ってしまいました。身体の表層のみ石化したということなのだろうか? ということは、石を割ると・・・・ゲ、気持ち悪い〜。

そうそう、ハルシフォムを設定するときすごく悩んだ記憶があります。すごく時間がかかったような 気がします。けっこうイッちゃってましたよね。そうそう、ハルシフォムが「貴方達の身体に興味が あるものでね・・・」っていったとき、なんかHなことを連想したリナがガウリイにむかって「あんた、 そういうの得意だったわよね」ってガウリイを盾にしたシーン。これってガウリイの立場は(笑)。
おい、得意なのかガウリイ。あ、ひょっとして無印17話の引きか、ひょっとして。 哀れなガウリイ。

以上宮田

(注1)
ダブル作監はわりと多用していました。ローテーションがきつかったというのもありますが、 この時は戸部さんがオープニングの作画で忙しかったんですね。作監同士のお手伝やお手伝返しは 暗黙のお約束で頻繁にやっていました。スレイヤーズはノリ重視のスタイルだったので、多少の キャラクターのばらけに対する許容範囲はほか作品に比べてわりと広めでした。キャラクターの 統一というよりはダメな原画をなんとか使えるレベルにするのがメインでした。その負担は 大変なものがあります。例の赤い目のアメリアNEXT二回目の登場もこの話数でした。

(注2)
アトラスシティの魔道士協会もあんな二人じゃたいしたことないと思われそうですが、 このへんは視聴者対象年齢層を 強く意識した局の意向が反映しています。個人的には原作ぐらいゲロゲロにしたかったんですが 無理でした〜。でもテレビ版のタリムとディミァのコンビ・・・いい味出していましたね。

以上渡部


第三話
3話といえばニャラニャラの鍋とニョヘロンの焼き肉に尽きるといえるでしょう。って、 本筋のお話しはどうでも良いのかって叱られそうですが(笑)。
ニャラニャラの命名者はライターの千葉克彦さんです。千葉さんは14話「禁断のダンス? 最強呪文は どこだ!」の脚本も担当しております。テッカマンブレードなどでハードでクールな台詞回しが 印象深い千葉氏ですが、この独特のギャグセンス。同じくライターの渡辺誓子さんが「そのネーミングセンスが好きっ」と感心しておりました。
で、シナリオ段階ではニャラニャラもしくはニョヘロンって何? っていう疑問が噴出したのは 言うまでもないのですが、結局結論出たんだろうか? ・・・つまるところ、だれもそれをどんなものか 計りかねつつシナリオがOKになってしまいまして・・・ああ、なんていい加減(笑)。
ニョヘロンはともかくニャラニャラをニョロニョロ(ムーミンに出て来るあれ) みたいに絵コンテで設定したのは監督に他なりません(笑)。本来ねこじゃらしみたいな植物系を連想しそうなものですし 、スタッフのみんなもなんとなくそんなものだという暗黙の了解があったはずなのですが、 意表をつき捲ってニョロニョロ。
おいっ、アトラスシティってのはムーミン谷の近くなのか?という突っ込みが巻き起こること必至。 って、監督にせまったら、「いや、あれはドジョウの一種なのだ」と言い張るばかり。 なんだかなー(笑)。で、キャラクターを設定したのは宮田氏。どじょうというよりあれはシラウオですね〜。 ちゃんと尾ひれもついているし。
で、あの豪華な土鍋を描いたのは作監の寺岡氏。鍋の具はくるまえびに、しいたけ、しめじ、白菜? お豆腐、そして・・・ニャラニャラ。あの目がラブリーで・・・食うなあああああ、んなもん。
ニャラニャラについては原作の後書きで神坂さんも書いていましたね〜。
すっごくショッキングだったみたいです。あれ(笑)。特にアメリアがあれを口にくわえて喋る時、 ニャラニャラがピョコピョコと動いてきゃぁぁぁぁぁぁっ、てなもので(笑)。シュールな絵ですね〜。
(某宮田)


第二話
nextが終了して早三か月め。なんだか記憶が薄れつつあるこの頃。まったく時の過ぎ行くのは 早いものです。
私、宮田は一話の作監と二話のレイアウト総作監と二話の総作監が並行していて死んでいました。 二話はゼロスの初めて登場するお話しでしたね。初めはゼロスの顔がかたまっていなくて とても描きにくかった。今はもう慣れていますけど。
ゼロスといえばやっぱり声優の石田さんですね。ゼロスの声が石田さんに決まった経過をお話ししましょう。 実はちゃんとオーディションやったんですね。数人の候補のテープを監督が聞き入っていて、やおら 叫んで立ち上がったのを私は見た。監督さん曰く「この声が色っぽくていい!」と。聞かせてもらうと うーん、確かに色っぽい。
監督が美少年趣味だというのは噂では知ってはいましたが、その発作のさまをまさか目の前で 目撃しようとは。やーねぇ監督ったら(笑)。
それから大分たって、エヴァンのオンエアを見たら「かおるくん」の声が石田さんでひっくり返りました。 こ、この声かぁっていって見悶えたようなきがする。色っぽかったっす〜(はぁと)。 いやーゼロスも期待通り色っぽかったです。

ゼルの髪の毛事件ってのがありましたね。あのシーンもシナリオに無かったものです。 あんなシーン、コンテで作ってしまって(笑)。アメリアがやたら心配していましたが、ちゃんと 翌日には生えていましたね。

パジャマ論争っていうのもありました。あ、ゼルとアメリアがおそろいだと喜んだ人、残念でした。 あれには実はちよっとした訳がありまして、設定をご覧になると分かるのですが、ゼルガディスは ちょうどいいサイズ。アメリアはぶかぶか。ガウリイはつんつるてん。
というふうになっております。ははは、宿の備え付けのパジャマだったんですね。

びっくりするような事件もありました。外注スタジオで作監込みで上がってきた原画の作監修正の ゼロスが・・・女性になっていた(笑)(注1)。良く分かっていない作監さんがゼロスをシルフィールと 間違えたに違いありません(笑)。胸が膨らんだゼロス。それはそれでいいのかも知れませんが(おい)、 監督さんはさすがにしゃれになってないと思ったらしく、珍しく激怒しておりました。
(以上宮田)

注1
中には良く分かっていない書き手も居るということで・・・総勢400人の全員がスレイヤーズを 理解している訳ではないという苦しさが常に付きまといます(キャラ設定すら見ていないんですね、 その某作監)。作監というの作画の最終段階。 たまたま発見したから良かったものの、通常なら女ゼロスのままセルになって、撮影段階で 大騒ぎになるところでした。
最悪の場合、時間切れでそのままオンエアとなってしまった可能性もあります。これはnextの謎とか いったレベルではないと当時激怒しましたが・・・(笑)
今となって見れば、ああ、ようやく笑い話になりましたが。うーん・・・豊かなバストの ゼロスも悪く無いかもしれない。そもそも魔族って性別ないんですよね。
(以上渡部)


第一話
一話といえばやっぱりガウリイの車掌さん(笑)(注1)。あれは結構人気があるようですが あそこに隠されている真のギャグにみなさん気付いてくれたでしょうか。
あれはガウリイが頭をはずして脳味噌をリナに見せているんですが、その中味が 発光しています。これってヨーグルトの発酵と光の発光を掛けている高度なギャグ だったんです。
気が付きましたかって、分かる訳ないですよね。
絵コンテでは頭をはずしているだけだったんですが、私が勝手に光らせてしまいました。 車掌さんにしてしまった理由は・・・声がガウリイと同じだったから。 私は「くまのぷーたろう」のファンだったんです。

もうひとつ・・・「偉い人の銅像」(注2)、リナがブ・ブライマをかけて動かして、悪党を ぶちのめしたあの銅像・・・・あの像の姿があのレゾだったってことはみなさん ご存じだとは思いますが、あれが赤法師レゾになった経緯。・・・最初は、コンテ上では ただの偉い人・・・偉そうな銅像だったらなんでもいいと監督は言っていたんですが、
なんか、只の偉い人ではちよっとつまらないかな〜って思って、いろいろ考えた末、そういえば レゾって五賢者の一人で偉いんじゃん、と気が付いてもう100 パーセントの思いつきでレゾにしてしまいました。あのレゾがリナにあやつられて・・・あのレゾ(笑)が。 ああ、なんということでしょう。でもレゾってゾアナにも立ち寄っていそうじやないですか。
パート1をみてない人にはわかんないかもしれませんが・・・ でも、これって声優さんにはわかんないかもしれないと思っていたのですが、テストのとき 真っ先に気が付いたのは林原さんでした。 画面に気が付くや否や「ああああああーーーっ、あれレゾじゃん!!!!」って叫びまくって、 nextではじめて参加した他の声優さんたちに解説しまくってました。これで死んだレゾも 本望だったでしょう。 もともとの台詞は「それいけエラいひと〜!」だったんですが、本番で「それいけレゾ〜! 」って見事にアドリブ入っていました(笑)。

いきなりですが・・・・巻毛が・・・って、一話といえば当然マルチナの初登場の回なのですが あの巻毛には参りました。とにかく線が多い。線が多い。
でもあの髪って線を省略しちゃうと竹筒になっちゃうんです。血の涙を流しながら作画しました。

もうひとつ・・・マルチナ半ケツ事件(注3)というのがあったりします。
マルチナが魔人像に向かって走っていくときパンツ半分以上ずり下がっていたんです。
ただ単に動画で線が一本だけ抜けていたんですが、これがセルになって塗られちゃうと まるで半ケツ(笑)。これが駄目だってクレームついちゃって・・・ぎりぎりで 上がったものですから、もう間に合わないってことで、ビデオ編集で・・・マルチナの お尻の部分だけ領域指定(フォトショップ用語・・・ほんとはなんていうのか?)してパンツの 色に変えたんだそうです。(以上宮田)

注1
後にぷーたろうの監督さんに宮田氏が遭遇して狼狽したのは言うまでもない(笑)。
ちなみに一番爆笑したのは局の偉い方でした。私は内心ひやひやでしたが。

注2
これは絶対わかんないからやめとけ〜って言ったんですが、宮田氏は喜々として設定まで 作ってました(笑)。
録音前のキャスティングの段階でレゾ役の子安さんを呼ぶかどうかで、音響製作さんから 何度も確認の電話があった。

注3
これは結構危なかったです。下手したらノーパンに見えないこともない。 マントがめくれ上がったその瞬間ノーパンのマルチナが(笑)。(以上渡部)


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