火炎球

火炎球(元ネタ:六尺棒)

written by 佐藤 哲朗




  今は昔、リナがまだナーガと旅していた頃の事・・・



  白蛇のナーガといいませば、これがまたどうしようも

 ない娘。どこぞの王女だなどという声もありますが、や

 たらとハデな服をまとい、口を開けばオーホホホなどと

 ブキミに笑うさまはとても人様にはまともに見えないも

 の。くされ縁とはいえつきあってやっているリナとして

 もいてもたってもいられません。



  ある夜の宿屋、今日も今日とて酒場に行ってるナーガ

 に一泡吹かせたいリナは一計。宿の部屋のドアにつっか

 い棒をしてしまいます。

  そこに上機嫌で帰ってきたナーガ。いざ部屋のドアを

 開けようとしても全然開きやしない。

 「ちょっとリナ! いるんでしょ、開けなさい!」

 「どちらさまですか?」

 「どちらさまって・・・ あんた何言っんのよ。私よ、

  ナーガよ、開けなさいよ!」

 「ああ、ナーガのお知り合いの方ですか。あいにくと奴

  は今おりませんよ。なにせナーガと来たら本当にどう

  しようもない奴でして、ある日勝手にこの世界一の美

  少女天才魔導師リナちゃんのライバルだ、なんていっ

  て金魚のうんちの如くついて来たかと思えば、何のこ

  とない凡才で無鉄砲で方向音痴な奴で、無駄に大きい

  胸に無駄な食欲。あんな役立たずで恥知らすな奴とは

  もう旅をする気はございませんので、このたびお別れ

  することにした次第でございます」

 「うっ・・・うぐぐ・・・」

  グウの音も出ないくらいまくしたてられてしまったナ

 ーガではありますが、そこは何とかこらえ、反撃体制に

 出だした次第でして。

 「ホ・・・ホーッホッホッホッホ・・・ その程度で私

 を参らせられるとでも思ってリナ? 美少女だか胸が微

 少だか知れないけど、片腹おかしいわねぇ!」

 「ぬ・・・ぬわぁぁぁにいいいいいいいいっっっっ!」

  言われたくない一言を言われたリナ。思わず怒りがこ

 みあげて・・・

 『火炎球!』

  尻をたたいて逃げていくナーガに、逆上したリナは怒

 りの火炎球をぶちまけまくり、部屋を出てその姿を追っ

 かけて行きました。そのうちにうまくリナを煙にまいた

 ナーガは先回りして部屋に戻り、ドアにつっかい棒をし

 てしまいました。

 「あーチクショウ! 全くなんて奴なのよ! もういい

  わ部屋に戻ろっと ・・・あれ? 誰がしめたのかし

  ら?」

 「どちらさまですか?」 

 「あ!ナーガ! ちょっと何のつもりよ! 開けなさい

  よ!」

 「ああ、リナのお知り合いの方ですか。あいにくと奴は

  今おりませんよ。なにせリナと来たら本当にどうしよ

  うもない奴でして、大平原のようなぺったん胸にツン

  ツン頭のくせして美少女天才魔導師などと自称するよ

  うなウヌボレはなはだなうえに、魔法にも節操はなく

  すぐ竜破斬なぞ撃ちまくって破壊活動にいそしむなど

  危険きわまりないどうしようもなさは天下一品。あん

  な役立たずで恥知らすな奴とはもう旅をする気はござ

  いませんので、このたびお別れすることにした次第で

  ございます」

 「おにょれ! そんなに私のマネしたかったら火炎球使

  って追っかけて来なさい! 使えないくせに!」



  ・・・おあとがよろしいようで。

おわり


HTML EDIT BY αえん

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