試し喰い

written by 佐藤哲朗



  ええ、いっぱいのお運びで・・・

  外の世界でリナたちが旅を始めましてしばらくの頃
 のこと。毎日毎日とんでもない量のゴハンを食べまく
 るリナとガウリィに、その膨大な食費をふたんしなく
 ちゃならないフィリアがある日ついに切れまして、
  「二人とも! もういい加減にしてくださいよ!
 食費出す身にもなってくれませんか!」
 なんて言ったらリナそれに返して
  「うっさいわね、もとはと言えばそっちが勝手に頼
 んだ旅でしょ。私たちはこっちのお金持ってないんだ
 し、旅費くらい出してもらわなくちゃやってられない
 わよ」
  「こんなにエンゲル係数の高い旅がありますか! 
 少しは考えてください! ・・・いいです、こうなっ
 たら私にも考えがあります。リナさん、私とカケして
 くれませんか?」
  「カケったって・・・ 何か関係あんの?」
  「リナさんたちが大喰らいなのはよくわかります。
 でもさすがに村の食べ物全部を食べ尽くすなんて事は
 たとえガウリィさんと一緒でもできないでしょう。明
 日準備をしますから、もし食べ尽くせなかったらリナ
 さん、この先は食費を制限させてもらいます」
  「ちょっと、勝手に決めないでよ! ・・・でも食
 べ物のためなら仕方ない、受けるわ」
  ってんであきれるゼルとアメリアの前で2組は対立
 してしまったわけだ。そうしてリナとガウリィは策を
 練りに消え、フィリアはご神託のことなどすっかり忘
 れて一晩準備に取りかかったのだった。

  そんなこんなで夜が明け、どういう風にフィリアが
 根回ししたのか村の食堂の前にはおびただしい食べ物
 の山が積まれていた。しかし肝心のリナたちの姿はど
 こにもない。
  「リナの奴・・・ どこへ行ったんだ?」
  「あ! 来ましたよ!」
  そこには食堂への道をゆっくり歩いてくる二人の姿。
 どんな策を練ったのか、ただならぬ雰囲気をただよわ
 せている。
  「・・・来ましたね。じゃあ始めますよ!」
  フィリアがそう言い、二人の前に大皿が何枚も置か
 れ始めると、ものすごい勢いで皿の上はカラになって
 行く。10枚、20枚、30枚・・・ いっこうにペ
 ースは落ちる気配もない。そしてついにはすべての食
 材はなくなっていたのだった。
  「あ〜喰った喰った。フィリア、これでもう文句は
 なしよ!」
  「・・・うぞ・・・ どうして・・・ どんな特訓
 したっていうの・・・」
  「私たちは別に特訓なんかしてないわよ。ただ、さ
 すがに村を食べ尽くすなんてにできるかどうかわかん
 なかったわけ。そこでね・・・」
  「・・・そこで?」
  「さっき試しに隣の村、食べ尽くしてみたの」

  ・・・おあとがよろしいようで・・・

おわり


HTML EDIT BY αえん

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